「ピラティスは姿勢改善に効果があるのか」という問いの答えとして、現在の研究では、ピラティスは姿勢や身体機能の改善に役立つ可能性が多く示されています。
一方で、「すべての人の姿勢が改善する」「短期間で必ず効果が出る」と断定できるほど一致した結論には至っていません。
このページでは、査読付き論文やシステマティックレビューをもとに、現時点で分かっていることを分かりやすく整理します。
【結論】ピラティスは姿勢改善に効果があるのか?
現在のエビデンスを総合すると、ピラティスで得られる効果は以下のとおりです。
- 姿勢改善に一定の効果が期待できる
- バランス能力の改善が期待できる
- 身体機能の改善が期待できる
- 慢性腰痛などでは改善を示す研究が比較的多い
特に、ピラティスが身体機能・バランス能力の改善に一定の効果が期待できることが報告されています。
さらに、慢性腰痛に対しては、痛みや機能改善を支持する研究が比較的多く報告されています。
一方で、以下のような点も重要です。
- 効果の大きさは対象者やプログラム内容によって異なる
- 「姿勢」そのものを評価した研究は、痛みや機能を評価した研究より少ない
姿勢改善に関する研究結果のまとめ
ここでは、ピラティスと姿勢改善に関する代表的な研究を紹介します。
研究にはさまざまな種類がありますが、このページでは複数の研究をまとめて分析したシステマティックレビューを中心に紹介しています。
システマティックレビューは、現在利用できる研究を一定の基準で収集・評価したものであり、個々の研究よりも全体像を把握しやすいという特徴があります。
ピラティスは姿勢改善に役立つ可能性が示された論文
2024年に発表されたLiらのシステマティックレビュー(Effects of Pilates on Body Posture: A Systematic Review)では、「ピラティスは姿勢改善に有効である」という結論でした。
13件の研究(計約640名)を対象に、ピラティスが姿勢へ与える影響を分析したシステマティックレビューです。対象には、子どもから高齢者まで幅広い年代が含まれています。
研究では、ピラティスによって以下の部位の改善が見られたと報告がされています。
- 頭部前方位姿勢(ストレートネック傾向)
- 胸椎後弯
- 骨盤前傾
- 側弯症
- 全体的な姿勢評価
参考文献
Li F, Dev RDO, Soh KG, Wang C, Yuan Y.
Effects of Pilates on Body Posture: A Systematic Review.
Cureus. 2024.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39372244/
脊柱アライメントへの影響に着目した論文
こちらは脊柱変形や姿勢アライメントに着目したシステマティックレビュー(Effects of Pilates exercises on spine deformities and posture: a systematic review)です。
この論文では、
「ピラティスは脊柱変形(猫背・側弯など)や姿勢の改善に有効であることを支持する十分なエビデンスが示された。一方で、理学療法として確立するには、より質の高い研究が必要である」
と結論づけています。
9件の研究・643名を対象に、以下の部位への影響を分析しました。
- 側弯症
- 胸椎後弯
- 脊柱アライメント
最も重要な結果は、ピラティスは脊柱変形や姿勢改善に有効であることが示されたという点です。
改善が報告されたものには、以下のような部位が含まれます。
- 猫背
- 側弯
- 背骨のアライメント
- 頭部・肩の位置
また、姿勢だけではなく、「痛み」「身体機能・柔軟性の向上」「QOLの向上」なども認められています。
この研究のポイントとしては、ピラティスは、姿勢を支える筋肉を働かせることで、脊柱アライメントの改善につながる可能性があるということです。
ただし、研究対象の多くは特定の疾患を持つ方であり、健康な成人へそのまま当てはめられるとは限らないので、より質の高い研究による検証が必要とのことでした。
参考文献
Li F, Dev RDO, Soh KG, Wang C, Yuan Y.
Effects of Pilates exercises on spine deformities and posture: a systematic review.
BMC Sports Science, Medicine and Rehabilitation. 2024.
バランス能力の改善に関する論文
姿勢改善を目的とした研究だけでなく、ピラティスがバランス能力に与える影響についても多くの研究が行われています。
特に高齢者を対象とした研究では、静的バランス(止まった状態で姿勢を保つ能力)や動的バランス(歩行や方向転換など動きながら姿勢を保つ能力)の改善が報告されています。
慢性腰痛の改善に着目した論文
慢性腰痛は、ピラティス研究の中でも比較的エビデンスが蓄積している分野です。
近年のシステマティックレビューやメタアナリシスでは、ピラティスは慢性腰痛患者の痛みや身体機能の改善に一定の効果が期待できることが報告されています。
研究結果のざっくりまとめ
研究結果のまとめを、ざっくりと行なっていきます。
- 「ピラティスは姿勢改善に役立つ」というデータあり
- 特に背骨の問題(猫背・ストレートネック・側弯・背骨の歪みなど)の改善がみられた
- バランス能力、慢性腰痛、QOLの向上も期待できそう
- ただし、すべての人が「ピラティスで姿勢改善できるの?」って聞かれると、正直まだまだ分からないところが多そう
まだまだ研究不足ではありそうですが、ある程度ピラティスによる姿勢改善は見込めそうだなぁーといった内容でした。
今後も、引き続き研究内容を調べていきますので、また何か分かったらこちらでご報告していきます。
FORMYでは臨床でどう活かしているか
研究では、ピラティスが姿勢改善に役立つ可能性が示されていますが、私自身も日々の臨床を通して、多くの方に身体の使い方や姿勢の変化がみられることを経験しています。
背骨をさまざまな方向へコントロールしながら動かすことで、小脳へ多くの感覚情報が送られます。小脳は、姿勢やバランス、運動の調整に重要な役割を担っていると言われています。
私は、このような感覚入力を繰り返すことが、身体の使い方を学習しやすくし、結果として姿勢改善につながる一つの理由ではないかと考えています。
ただし、この考え方は現在の神経科学や運動学習の知見を参考にしたFORMYの臨床的な解釈であり、「背骨を動かすことで小脳が変化し、それが姿勢改善につながる」と直接証明した研究があるわけではありません。
さらに、実際の臨床では「ピラティスを行えば全員の姿勢が改善する」というほど単純ではありません。
同じ猫背に見えても、
- 胸郭の硬さが原因の方
- 股関節の可動域が影響している方
- 呼吸の癖が関係している方
- 日常生活での身体の使い方が原因の方
など、原因は一人ひとり異なります。
姿勢を一時的に整えることを目的にするのではなく、その状態を日常生活の中でいかに自然に維持できるかが、私は何よりも重要だと考えております。
FORMYでは、こうした科学的な知見も参考にしながら、お一人おひとりのお身体の状態を丁寧に評価し、「正しい身体の使い方」を身につけるサポートを行っています。
板橋区(成増・地下鉄成増・下赤塚周辺)で姿勢改善を目的としたピラティススタジオをお探しの方は、お気軽にご相談ください。

